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亡命政府の宗教・文化相 中国政府の政策を批判

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2000年1月12日
毎日新聞

【ダラムサラ(インド北部)12日】チベット仏教カギュ派最高位の活仏、カルマパ17世(14)が滞在するダラムサラのチベット亡命政権のタシ・ワンディ宗教・文化相は11日夕、毎日新聞など1部外国報道機関と会見し、チベット自治区の現状について「中国によるチベット仏教弾圧、人権侵害で事態は悪化している」と、中国政府のチベット政策を強く批判し、17世のチベット出国には自治区の状況の深刻化が背景にあると指摘した。

宗教・文化相は17世の出国理由について直接の言及は避けながら「中国はここ数年、中国人のチベットへの入植を強化するとともに、宗教者の投獄などチベット人への人権侵害を激化させ、チベット人はマイノリティー化されるとの不安を募らせている。この結果、チベットからインドへの難民が増える事態を招いている」と話した。

17世がインドへの政治亡命を求めているかどうかについては「17世は宗教的指導者であり、政治家ではない。この問題は政治問題化させたくない」として明言を避けた。

一方で、亡命政府は「17世の希望に沿うようできる限りのことをする」とし、「インド政府はこれまでも多くのチベット人を受け入れており、好意的な対応を取ってくれると信じる」と、17世が公式の亡命申請をした場合に認められるとの期待を表明した。

17世の今後の活動については「山を越えてインドに来たので疲労が残っており、十分な休息が必要だ」と話し、中印両国政府への刺激を避けるため、当面は表立った活動をしないことを示唆した。